愛宕グリーンヒルズフォレストタワー

ハイドロテクトタイル建築作品集

愛宕山の豊かな自然、寺院などの歴史的建築物、そして近代的建築物。その3つの要素を見事に調和し再開発を成功させた「愛宕グリーンヒルズ」の設計に携わった森ビル(株)の清水昭夫氏のお話から、タイルの次代の方向性を探ってみた。

設計者様の声
■取材協力 森ビル株式会社
      清水昭夫 氏
■所在地: 東京都港区愛宕
■主要用途: 共同住宅
■建築主: 森ビル株式会社
■設計: 森ビル株式会社 
     シーザー・ペリ&アソシエーツ(デザイン監修)
     入江三宅設計事務所
■施工: 戸田建設株式会社 三機工業株式会社
     株式会社きんでん
■材質: 磁器質施釉
■サイズ: 50二丁・50三丁
■シリーズ名: 特注色


クリーンで明るい建物にしたい、
それが基本テーマでした。

江戸時代からその豊かな自然が愛された愛宕山。その愛宕山の自然を活かしつつ、寺院などの歴史的建築物と近代的建築物とを調和させ、次の時代へと受け継ぐ街に再生する。このテーマを実現した愛宕グリーンヒルズの街区には、2棟のタワーがそびえ建っています。愛宕グリーンヒルズは、TOTOの東京支社(虎ノ門)から、芝方面へ徒歩で10分ほど。実際に歩いてみると、すぐにフォレストタワーの高層部が視界に入ってきます。しっかりとした存在感があるにもかかわらず、主張してこないというのが、このときに感じる印象。通常ランドマークとなる建物は、もっと迫ってくるような迫力を感じますが、そうした印象がまったく感じられないのです。「設計で一番気を使ったのは、圧迫感でした」と愛宕フォレストタワーの設計を手がけた清水氏。いかに周囲を威圧せずに、周辺の景観に自然になじむかが大きな課題でしたといいます。「この敷地の真ん中には、青松寺というお寺があります。他の寺院と同じように、ここも本堂が一番高いところにあって、その周囲は低くなっているんです。その寺院の配置に対して、高層の建物を両脇に置こうというのが愛宕プロジェクトでしたから、計画の当初から圧迫感にはかなり注意してきました。それをクリアするために考えた解決手法の一つが、アメリカの世界的建設家シーザー・ペリによるデザイン・先細りの丸みを帯びたフォルムなのです」。

 

ハイドロテクトタイル採用にあたって

「背後にそびえる愛宕山は、自然のもの。もちろん、緑も人工的に植栽されたものではなく、芽をふき、実がなり、種が落ち、そして新しい芽が出るという長年の自然の営みがつくり上げています。だからその貴重な自然を継承していきたいと考えて、緑化に取り組んでいるのです」。MORIタワーとフォレストタワーも、その自然の営みと共生するために役に立つと清水氏。「建物を上に積んでいくと、低層部には大きな空間が広がります。大地がしっかりと顔をのぞかせるスペースです。それは緑を増やせる空間でもあります」。といっても、人工的な緑は使わないという。自然をそのまま残すために、目に見えない努力を重ねているそうです。たとえば、建築工事の段階で、作業に支障のあるに木は、小さな苗木から、大きな木までできるかぎり切り捨てずに、一度採取して別の土地で育成し、それをふたたび元の場所に戻しているのです。「バルコニーや屋上の緑化も行っています。私たちの緑化事業とハイドロテクトのNox/Sox削減効果とが相まって、地域に、人に、そして自然に、快適で豊かな環境を提供できたら。そんな素敵なことはありませんね」。
表現を考えて、しっかりと設計していけば、タイルが内包するよさは、2倍にも3倍にもなるのですね。それを改めて認識させられました。タイルが建物と街の景観に調和を与え、自然との共生、人々の健やかな暮らしを支える。建築家のみなさまとのコラボレーションの先には、そんな理想的なタイルの姿が見え隠れしているようです。