不動産投資:パワーカップルに売れる家は都心の高級マンション!その条件とは?

不動産投資

宅建士の不動産売買や仲介は、高額な不動産物件を扱うほど売上が上がります。

販売手数料をはじめ最も稼げる分野が、首都圏を中心に高級マンションの販売や仲介です。

 

では、億ション(販売価格が1億円以上するマンション)を買える人は、どのような人達でしょうか?

今まで高級マンションを買うのは、東京を中心とした首都圏に住む富裕層か投資家がほとんどでした。

実際にそんな富裕層や投資家達の桁外れの購買力が、高級な新築マンション市場を牽引してきました。

 

不動産の仕事:パワーカップルに売れる家は都心の高級マンション!その条件とは?

 

2018年度の10月の不動産経済研究所の発表によれば、首都圏のマンションの発売戸数は堅調に伸びています。

発売2,845戸、1.0%増で2カ月連続の増加に。契約率は68.3%。

◎ 戸当たり5,934万円、m²単価88.8万円、ともに6月以来の上昇

(参照:不動産経済研究所「首都圏のマンション市場動向」より)

 
オリンピックを2020年に控え、その中で特に高級マンションの販売が沸騰している地域が、東京23区のエリアです。

 

そして最近は、高級マンションの購買層に新たな勢力が出てきました。

それは、今までの富裕層のように自己資産が1億円以上ある。

また、年収が2000万円以上の経営者や医者などの職業の人達だけではありません。

 

新たな勢力は「パワーカップル」と呼ばれる会社員の存在です。

彼らは、主に都心で働く世帯収入が高い30代から40代の夫婦(カップル)です。

そんなパワーカップルが、高額な不動産をダブルインカムで購入していく事例が、ここ数年増えています

 

今回の「宅建士の仕事」の記事は、首都圏を中心に絶好調に売れている高級マンションの話題についてです。

躍進するパワーカップルの動向と、彼らに売れる高級マンションの条件についてまとめてみました。

 

マンションに関わる仕事に興味がある人も、ぜひ読んでみてください。

高級マンションを買う「パワーカップル」とは

パワーカップルとは、一言で説明すると「一定水準以上の収入があり購買力のある共働き夫婦」のことです。

世帯年収については「1000万円以上」、「2000万円以上」と諸説あるが、久我氏は2人とも年収が700万円超の夫婦をパワーカップルとする。

いずれにしても、マンション市場で主導権を握っているのは、2人ともフルタイムで働く夫婦だ。

(引用記事;「パワーカップル マンション厳冬市場の熱源」2018/1/13 日経新聞より)

2人合わせれば、年収が1,400円を超えます。

 

一般的にローンは、年収の5倍以下であれば借りれます。

世帯年収が1,400万以上あれば、ペアローンを組めば、最高7,000万円近い額のローンは組めてしまいます。

 

マンション購入の頭金を多く出せる貯蓄があるカップルであれば、場合によれば億ションを買うことも可能です。

ペアローンを組むと、ローン控除が2人分受けられるので、税金の面でも得をします。

よって積極的にペアローンを組み、より条件の良いマンションに買い換えるパワーカップルも少なくはありません。

 

ちなみに年収700万円以上の収入のある人は、国税庁の調査では、日本の労働者のうち約13%程度です。

 

日本で1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均年収は、わずか422 万円です。

男性521万円、女性は派遣やパートも含めて更に少ない280 万円です。

(参考資料:「民間給与実態統計調査」平成29 年9 月 国税庁 長官官房 企画課より)

よって世帯収入が1,400万円を超えるパワーカップルは、労働者の全体の割合からすれば、少ないことがわかります。

実際に「パワーカップル」の数は、25万世帯、わずか共働き世帯の1.8%(ニッセイ基礎研究所の協力資料により)のデータもあります。

 

しかし、「パワーカップル」は富裕層に次ぐ高級マンションを購入しやすいドル箱層として注目されています。

「ペアローン」は税金面で優遇される

ペアローンとは「夫婦がそれぞれの名義で住宅ローンを借りる」ことです。

よって住宅ローン控除は夫婦二人(各個人)に適用されます。

 

住宅ローンの減税などの優遇措置は、消費税の増税を控え、ますます手厚くなる傾向にあります。

2019年度の与党税制改正大綱では、住宅ローン減税は10年間から更に3年間延長されることが決まりました。

(引用画像:朝日新聞 2018年 12月14日「住宅ローン減税拡充 控除期間を3年延長、13年間に」より)

例えば、一人当たり、1年間で最大40万円が控除されるとします。

これから13年間の控除を受けるとすれば、

40万円 ×13年間 =520万円

これが2人になれば、 520万円 × 2 = 1,040万円

1世帯あたり1,000万円以上の税金が優遇される事になります。

 

特にパワーカップルの年収700万円以上は、税金の課税金額が、その下の年収ゾーンに比べて高くなります。

積極的にローン減税を活用した方が得になります。

よってパワーカップル達は、将来の資産にもなる高級マンションの購買に積極的です。

 

それでは、彼らに好まれる高級マンションとは、どんなマンションでしょうか?

パワーカップルが好む高級マンションの条件

このような「パワーカップル」は、使える時間は少ないですが、夫婦で協力して作る資金力が最大の強みです。

よって「時間をお金で買う」という感覚から利便性を非常に重視します。

 

(引用画像:2018/1/13 日経新聞「パワーカップル マンション厳冬市場の熱源」より)

 

下記がパワーピープルが好む特徴です。

・最寄り駅まで徒歩8分以内

・最寄駅から職場まで30分以内

・将来的に値崩れするリスクが少ない(価格は高くてもOK)

特に、最寄りの駅に近く、職場まで通勤しやすいなどの利便性は必須条件です。

 

私はこのような「パワーカップル」は、不動産業界に影響力を及ぼす新パワーピープルのような存在だと感じています。

今後、高級マンション市場を富裕層の次に牽引するのは「パワーカップル」です。

よって準富裕層の予備軍でもある彼らの需要に合うマンションが、売れる物件になります。

郊外のマンションにも流れ始めたパワーカップル

さらに、都心の好立地マンションの価格高騰に伴い、郊外にもパワーカップルは流れ始めています。

郊外であれば、好立地であっても世帯年収に合う現実的な価格で購入しやすいからです。

不動産コンサルティング会社、トータルブレインの久光龍彦社長は「ここ1~2年、都心を中心にマンション市況をけん引してきたパワーカップルが郊外でも動きだした」と指摘する。

津田沼ザ・タワーの契約者も「6~7割がパワーカップル」(三菱地所レジデンスの河野隆二・第1販売部グループ長)だ。

(記事引用:「パワーカップルは「の」を描くマンション最前線」2018/7/8 日経新聞より)

 

下記の画像では、まるで「の」字を描くように、都心部から周辺の埼玉、千葉、横浜と流れています。

千葉や埼玉などであれば、新築マンションを4,000万〜6,000万円台で購入できます。

(引用画像:「パワーカップルは「の」を描くマンション最前線」2018/7/8 日経新聞より)

ここでも上記の都心部のマンションを買う場合と条件は同じです。

パワーカップルが重視するのは通勤にかかる時間距離だ。

都心でも郊外でも志向は同じ。大切なのは「住戸から駅まで」「駅から会社まで」どれくらいかかるか。

それぞれ「5~8分以内」「30~40分以内」。逆にその条件を満たせば「千葉県や埼玉県であってもこだわらない」(トータルブレインの久光社長)。

(記事引用:「パワーカップルは「の」を描くマンション最前線2018/7/8 日経新聞より)

消費税が増税された後のマンションの需要減は、心配されています。

しかし、人気のマンションであれば、利便性を求める人が居る限りは、値崩れのリスクはそれほど激しくないと思います。

 

実際に私も利便性を重視して分譲マンションを選んだ経験があります。

以前、千葉駅から徒歩3分以内の分譲の中古マンションを所有していたことがありますが、買い替え時には、直ぐに次の買手が現れました。

売却価格も5年以上、住んでいたにも関わらず、購入時よりも100万円も高く売れました。

 

需要と供給のバランスの問題で、需要がある場合は、価格は値崩れしない事がわかります。

しかし、場所によっては、今までの常識が通用しない事態も起こっています。

人気エリアでも利便性が良くなければ売れない

一方、人気の高い世田谷区にあるマンションであっても売れ残る事例が出ています。

世田谷区といえば、東京23区内でも閑静な高級住宅地です。

有名企業の経営者や大物政治家なども住む街として知られています。

 

しかし現実には、そんな世田谷でも売れない新築マンションがあります。

世田谷価格の幻想には、大手デベロッパーも足をすくわれた。

東急田園都市線桜新町駅から徒歩15分。閑静な住宅街を歩き続けると、大規模マンションが姿を現す。

東急不動産が開発した「ブランズシティ世田谷中町」だ。

D・E・F街区は2017年1月、A・B・C街区は17年7月に竣工したが、10月末時点で総戸数252戸中123戸にはいまだ家主が見つかっていない。

(参照記事:「あの世田谷でマンションが「余りまくる」事情2018/12/03 東洋経済オンラインより)

この記事が出たのは2018年の12月です。

2017年に竣工してから約1年半が過ぎても全体の4割以上も売れ残っているのは、かなり深刻です。

 

価格が相場よりも高いこともあるかもしれません。

しかし、パワーカップルの購買力の勢いを考えると価格の問題だけではなさそうです。

 

最寄駅から「8分以上」の立地になってしまうだけで、パワーカップには選ばれないマンションになってしまう可能性があります。

世田谷など人気のエリアであっても「駅から徒歩15分」もかかるようであれば、売れないのは衝撃です。

新築マンションの未来は明るいことばかりではない

最近は新築マンションに住む事に、以前ほどは価値がなくなっている風潮もあります。

 

『週刊東洋経済』12月8日号(12月3日発売)の特集は「マンション絶望未来」でした。

分譲マンションの「新築信仰」は、近い将来に崩壊するという内容です。

今、新築分譲マンション市場は、建築材料費や人件費の高騰のため値上がりが限界に達しています。

その結果、上記のような一部のエリアを除き、マンションを購入する人の需要が減少する危機に瀕しています。

また築30年以上のマンションは、老朽化やそれに伴う大規模修繕などの問題に直面しています。

マンションによっては資産になるどころか、ローンだけ残る負債になる危険性もあります。

 

マンションを購入するならば、将来の買い替えや賃貸で貸すにしても駅近で便利である事は外せない条件です。

 

「駅近」でないと売れない事は、逆に言えば「駅近」で利便性の高い物件であれば有利に売れる可能性もあります。

しかし、都心部では、好立地のマンション用地が枯渇ぎみです。

所有者から駅近の好立地が不足ぎみなので、業者同士の取り合いになります。

新築の分譲マンションの状況は、首都圏であっても決して景気が良い話ばかりではありません。

 

将来も高級マンション需要は伸び続けるかどうか?

これからもパワーカップルの動向は目が離せそうにないです。

「宅建士の仕事」シリーズでも売れるマンションについて考察の記事を今後も書いていく予定です。

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